ワールド極真会空手連盟 東京支部立川駅北口の稽古場と、空手を始める前に読む資料室

公開:2026年10月17日/最終更新:2026年11月5日

土踏まずが低い子どもと裸足の稽古|扁平足と足の発達の研究

3〜6 歳の子ども 835 人を調べた Pfeiffer(2006)では、柔らかい扁平足の割合は 44% でした。玄関で靴を脱いだ子の足を見て、土踏まずが低いなら治療が要るのか、裸足の稽古で育つのかと気になることもあります。土踏まずの低さだけで治療を決めず、痛みや動きの状態を相談の軸に置くことが大切です。 空手の裸足の稽古による土踏まずの発達を調べた研究はなく、以下の根拠は成長に伴う足の変化、日常の靴と裸足の習慣、中敷きの使用を調べたものです。

この記事の要点
  • Pfeiffer(2006)は、就学前の 3〜6 歳の子ども 835 人の足を立った姿勢で測定しました。
  • Chen(2013)は、就学前の子ども 580 人の足形を、約 1 年の間隔で 2 回調べました。
  • Rao(1992)は、4〜13 歳の子ども 2300 人について、静止した状態の足形を調べました。
  • 足底板は、足を支えるために靴の中に入れる中敷きです。

土踏まずが低い子どもと裸足の稽古|扁平足と足の発達の研究

3〜6 歳の子ども 835 人を調べた Pfeiffer(2006)では、柔らかい扁平足の割合は 44% でした。玄関で靴を脱いだ子の足を見て、土踏まずが低いなら治療が要るのか、裸足の稽古で育つのかと気になることもあります。土踏まずの低さだけで治療を決めず、痛みや動きの状態を相談の軸に置くことが大切です。 空手の裸足の稽古による土踏まずの発達を調べた研究はなく、以下の根拠は成長に伴う足の変化、日常の靴と裸足の習慣、中敷きの使用を調べたものです。

扁平足は、足の内側にある土踏まずのアーチが低い状態を指します。研究で多く扱われる柔らかい扁平足は、足に柔軟性があり、姿勢や体重のかかり方でアーチの見え方が変わる足です。年齢の高い集団ほど割合が少ないという調査と、同じ子を追うと変化の方向がそろわないという調査があり、成長の見方には両方が役立ちます。形は出発点です。中敷きを使う目的まで考えるには、見た目に加えて、本人が痛みを感じているかという情報が欠かせません。

扁平足は子どものうちに減っていくのか

Pfeiffer(2006)は、就学前の 3〜6 歳の子ども 835 人の足を立った姿勢で測定しました。柔らかい扁平足は全体の 44% にみられ、割合には年齢、性別、体重が関係していました。同じ土踏まずの低さを考えるにも、子どもの年齢が研究上の大事な条件になります。幼い子の足の形を、成長の段階を抜きにして評価しようとすると、こうした調査が示す違いを見落とします。

学齢期を調べた Yin(2018)の対象は、6〜13 歳の 1059 人です。この調査では歩いているときの足圧、つまり足裏のどこに力がかかるかを記録し、柔らかい扁平足を評価しました。割合は 6 歳で 39.5%、12 歳で 11.8% となり、12〜13 歳では横ばいでした。低年齢の集団と高年齢の集団を比べると、後者で少ないという結果です。

立った足を測る Pfeiffer(2006)と、歩く足の圧を記録する Yin(2018)では、使った定義と測り方が異なります。立位で見える形と、歩行中に記録される足裏への荷重は、同じ足について別の側面を捉えています。それぞれの調査内で年齢との関係を捉えるのが筋道であり、両研究の割合をつないで幼児期から学齢期までの成長曲線にすることはできません。

さらに、どちらも年齢の異なる子を同じ時期に測る横断調査です。横断調査で年長の子に少ないことが示されても、個々の子がいつ、どのように変わったかという経過は残りません。保護者が知りたい「うちの子の足はこれからどうなるか」に近づくには、同じ子を時間を置いて測った結果が加わります。

同じ子を追うと変化は一方向ではない

Chen(2013)は、就学前の子ども 580 人の足形を、約 1 年の間隔で 2 回調べました。年齢の中央値は 54 か月、範囲は 36〜71 か月で、平均の追跡期間は 11.8 か月でした。年齢の違う集団を並べる調査に対し、こちらは同じ子の最初と後の判定を照合できる設計です。足形は、足裏が接する部分の形から足の状態を評価する材料になります。

Chen(2013)では、最初に扁平足と判定された子のうち 37.6% が、後の測定で正常の判定に変わりました。一方、最初は正常と判定された子のうち 9.9% は、後の測定で扁平足の所見が出ました。よい方向への変化と逆方向への変化が、同じ追跡調査の中に存在します。年齢とともに集団全体の割合が少なくなることと、個人の経過に幅があることは、両立する結果です。

この研究の観察期間は幼児期の一部で、測定の材料も足形でした。アーチの判定が変わったことに加え、その間に痛みがどう動いたか、稽古で何ができるようになったかまで測った結果として扱うのは範囲を越えます。研究が捉えたのは、足形による分類が時間を経て変わる子がいるという経過です。

この両方向の変化を踏まえると、家庭で足を見たときの印象をそのまま将来の予測にするより、本人の状態を添えて経過を相談するほうが研究に沿っています。見た目が気になった時期と、痛いと言った時期は、それぞれ別の記録として残せます。形の変化をたどる記録と症状の記録があれば、後から相談するときにも、何が変わったのかを伝えやすくなります。

日常の裸足習慣と靴の比較が示したこと

Rao(1992)は、4〜13 歳の子ども 2300 人について、静止した状態の足形を調べました。靴を履く子では扁平足が 8.6%、履かない子では 2.8% で、履く群に多い結果でした。著者は、幼少期の靴の使用が土踏まずの発達に不利に働く可能性を述べています。ただし、この調査は日常の履物が異なる子を一時点で比較したもので、靴を履くかどうかを研究者が割り当てた試験ではありません。

Hollander(2017)も、日常的に裸足で過ごす子ども 810 人と、靴に慣れた子どもを比較しました。この研究では年齢、性別、民族をそろえて比較し、靴の習慣がある側で土踏まずが低いという結果を示しました。比べる相手の条件を近づけた点は、単に裸足と靴の群を並べるより踏み込んだ設計です。それでも、住む地域や日々の生活の違いは残ります。

生活の違いが重要なのは、靴の使用と足の形の両方に関係する要因がありうるためです。たとえば体重や生活環境の違いが重なれば、観察された差のうち靴の習慣だけが担う部分を切り出すのは難しくなります。こうした、知りたい関係に別の要因が混ざることを交絡と呼びます。Rao(1992)の古い調査についても、履物以外の条件を十分に分けられない点が残っています。

足の測定方法を検討した Squibb(2022)は、履物の習慣と足の長さや幅の関係について、研究間で結果がそろっていないと指摘しました。また、発達に影響する体の内側と外側の要因を調整していない研究が多いと述べています。これは靴の作用を否定する結論ではなく、履物の使い方と他の条件を一緒に調べる必要を示す指摘です。

ここで調べられた裸足は生活習慣であり、稽古の時間だけ靴を脱ぐこととは接する時間も場面も異なります。観察された関連を根拠に、裸足の稽古が土踏まずを作るとは言えません。空手を足の形のための治療として選ぶ前に、研究が比較したのは日常生活の履物だったという点を押さえます。

中敷きの研究は痛みと骨格を別々に調べている

足底板は、足を支えるために靴の中に入れる中敷きです。Evans(2022)は、柔らかい扁平足を持つ子ども 1058 人、16 件の試験を対象に、中敷きなどを使った結果を検討しました。全体の対象年齢は生後 11 か月〜19 歳と幅があり、痛みのない健康な子どもと、症状や持病のある子どもを含んでいます。どの状態の子に対する比較なのかが、治療の結果を捉える入口になります。

Evans(2022)によると、痛みのない健康な子どもでは、個別に作る中敷きを使った場合と靴だけの場合で、1 年後に痛みのない子の割合に差がほとんど無いという結果でした。根拠の確かさは低い〜非常に低いと評価され、研究間の違いからデータを一括して統合していません。著者は、痛みのない健康な子どもの柔らかい扁平足に、高価な個別の中敷きを使うことを支える根拠はないと結論しました。痛みや持病がある子の相談では、対象の状態に対応した評価が別に求められます。

一方、Choi(2020)が検討したのは、中敷きを長く使うことで足の構造が変わるかという問いでした。試験や前向きの追跡調査では効果を示せず、幼い子の柔らかい扁平足は、履物の種類にかかわらず成長とともにゆっくり改善していました。治療を受けた症例を集めた報告では、4 件中 3 件が長期のよい変化を示していました。研究の形によって、結果の向きが割れています。

症例の集まりで使った後の形がよくなっても、成長による変化をどこまで取り除けるかが問題になります。Choi(2020)は、長期使用が足の構造の問題を改善する強い根拠はないと結論しました。痛みの軽減を目指すのか、骨格の形を変えることを目指すのかで、確かめる結果も違います。中敷きを相談する際には、期待する変化を医師と共有することが判断の土台になります。

Pfeiffer(2006)は、調査時点の治療の 90% 超を不要と判断しました。これは当時の地域と調査対象についての著者の評価です。現在目の前にいる子の治療の要否は、痛み、柔軟性、診察で得られる情報を含めて医師と相談する事項です。

足の研究を対象と比較から見渡す

年齢の調査、履物の習慣の比較、中敷きの試験は、それぞれ違う問いを扱っています。下の表では、年齢に伴う減少だけでなく、追跡中に扁平足の所見が出た結果と、中敷きで差がほとんど無かった結果も並べています。どの研究が形を測り、どの研究が痛みを評価したかを、比較の対象とともに追えます。

研究 型 対象 比べたもの 結果の向き
Pfeiffer(2006) 立位での横断調査 3〜6 歳の 835 人 年齢・性別・体重による足の状態 柔らかい扁平足は 44%、年齢などが関係
Yin(2018) 歩行時の足圧による横断調査 6〜13 歳の 1059 人 年齢別の割合 6 歳の 39.5% に対し、12 歳は 11.8%
Chen(2013) 足形の追跡調査 就学前の 580 人 同じ子の約 1 年前後の判定 扁平足から正常へ 37.6%、正常から扁平足へ 9.9%
Rao(1992) 静止時の足形による横断調査 4〜13 歳の 2300 人 靴を履く習慣の有無 履く群で 8.6%、履かない群で 2.8%
Hollander(2017) 習慣の異なる群の観察研究 日常的に裸足の子ども 810 人と靴に慣れた子ども 年齢・性別・民族をそろえた履物の習慣 靴の習慣がある側で土踏まずが低い
Squibb(2022) 測定法の文献検討 履物と成長期の足を扱う研究 履物の習慣と足の測り方 足の長さや幅の結果は不一致、他の要因の調整も不足
Evans(2022) 試験の総説 柔らかい扁平足の 1058 人、16 件 中敷きと靴など 痛みのない健康な子では、靴との比較で痛みのない割合に差がほとんど無い
Choi(2020) 長期の構造変化の総説 小児の柔らかい扁平足を扱う研究 中敷きの長期使用と足の構造 試験・前向きの追跡で効果を示せず、症例の報告にはよい結果もある

家庭では形の印象に痛みの記録を添える

家庭での見守りは、足の内側のくぼみを毎回採点するより、痛みの有無を軸にできます。Evans(2022)が痛みのない健康な子どもを区別して検討したように、症状の有無は研究の対象を捉えるうえでも重要です。痛みがある場合や、硬くて動きが悪いと感じる場合は、整形外科などで相談します。土踏まずが低いという見た目だけを理由に、家庭で治療の要否を決めることは避けます。

相談のために残す内容は、本人が痛いと伝えた場所と、そのときの場面が中心です。靴を履いて歩いているときだったのか、裸足で稽古している最中だったのか、稽古の後だったのかを、覚えている範囲で書けます。痛みが出た場面を記すことは、原因を家庭で決める作業とは別です。子どもの言葉と保護者が見た様子をそれぞれ伝えれば、診察時に経過を説明する材料になります。

指導者にも、土踏まずの形が気になるという話に加えて、痛みを訴えた動きや場面を伝えます。本人から痛みを聞いた場合には、その情報を家庭と共有してもらうよう頼めます。稽古への参加や内容の調整について判断が要るときは、医師への相談に稽古の内容も添えます。足の形を変えることを成果に据えるより、今の足で何に困っているかを確かめるほうが、治療の相談と結びつきます。

成長に伴う足の変化は、集団の年齢差と個人の経過の両方から捉えられます。裸足や中敷きへの期待だけを先に置かず、形に気づいた時期と本人の痛みの記録を並べ、子どもの足の変化を眺めます。

よくある質問

土踏まずが低ければすぐ中敷きが要るのか

Evans(2022)は、痛みのない健康な子どもの柔らかい扁平足について、個別の中敷きを使うことを支える根拠はないとしています。足の形を整えたいという希望と、本人の痛みへの対応では、確かめる結果が異なります。相談の際には、痛みの有無や困っている場面を伝え、何を目的に使うかを医師と検討します。硬さや動きの悪さが気になる場合も、その状態を診てもらうことが先になります。

裸足で稽古する時間を増やせば土踏まずは育つのか

Rao(1992)と Hollander(2017)が比較したのは、日常的な履物の習慣が異なる子どもです。稽古の時間を増やすことの効果は、この比較の対象に入っていません。さらに Squibb(2022)は、履物以外の発達に関係する要因が十分に調整されていない研究の多さを指摘しています。足の形を目標に回数を増やす判断より、本人が痛みを感じる場面を共有することが、今回の研究を踏まえた相談につながります。

成長すれば全員の足が同じように変わるのか

Chen(2013)の追跡では、扁平足から正常の判定へ変わる子と、逆に正常から扁平足の所見が出る子がいました。年齢別に少なくなるという調査結果には、このような個々の異なる経過が重なっています。測定されたのは足形による判定の変化で、全員が同じ時期に同じ形へ近づくという予測にはなりません。家庭では、過去の印象に固定せず、今の痛みや動きの状態を相談時に伝えます。

この記事の限界

測定の中心は立位の足の形、足圧、足形による判定で、空手の動作をしている間のアーチの変化や本人の症状を一緒に追ったデータは不足しています。年齢別の比較には別の子ども同士の違いが含まれ、同じ子を追った Chen(2013)も約 1 年という幼児期の一部を捉えています。

足の形の測り方は研究ごとに異なり、履物の習慣を比べた調査には地域や生活環境の違いも残ります。中敷きの痛みへの効果や長期の構造変化は扱われていますが、裸足の稽古を続けた子の土踏まずの経過は、これらの研究の測定対象から外れています。

参考文献

  1. Pfeiffer M. Prevalence of Flat Foot in Preschool-Aged Children. Pediatrics. 2006;118(2):634-639.
  2. Yin J. Flexible flatfoot of 6-13-year-old children: A cross-sectional study. J Orthop Sci. 2018;23(3):552-556.
  3. Chen KC. Change in flatfoot of preschool-aged children: a 1-year follow-up study. Eur J Pediatr. 2013;172(2):255-260.
  4. Rao UB. The influence of footwear on the prevalence of flat foot. A survey of 2300 children. J Bone Joint Surg Br. 1992;74(4):525-527.
  5. Hollander K. Growing-up (habitually) barefoot influences the development of foot and arch morphology in children and adolescents. Sci Rep. 2017;7(1):8079.
  6. Squibb M. Measurement of the Developing Foot in Shod and Barefoot Paediatric Populations: A Narrative Review. Children (Basel). 2022;9(5):750.
  7. Evans AM. Foot orthoses for treating paediatric flat feet. Cochrane Database Syst Rev. 2022;1:CD006311.
  8. Choi JY. The long-term structural effect of orthoses for pediatric flexible flat foot: A systematic review. Foot Ankle Surg. 2020;26(2):181-188.

技の名前を調べた次は、組手の痛みと礼儀を稽古場で確かめる

  • 向く人: 技の名前や由来を知ったうえで、型と組手で実際に体を動かしたい大人
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よくある質問

土踏まずが低ければすぐ中敷きが要るのか

Evans(2022)は、痛みのない健康な子どもの柔らかい扁平足について、個別の中敷きを使うことを支える根拠はないとしています。足の形を整えたいという希望と、本人の痛みへの対応では、確かめる結果が異なります。相談の際には、痛みの有無や困っている場面を伝え、何を目的に使うかを医師と検討します。硬さや動きの悪さが気になる場合も、その状態を診てもらうことが先になります。

裸足で稽古する時間を増やせば土踏まずは育つのか

Rao(1992)と Hollander(2017)が比較したのは、日常的な履物の習慣が異なる子どもです。稽古の時間を増やすことの効果は、この比較の対象に入っていません。さらに Squibb(2022)は、履物以外の発達に関係する要因が十分に調整されていない研究の多さを指摘しています。足の形を目標に回数を増やす判断より、本人が痛みを感じる場面を共有することが、今回の研究を踏まえた相談につながります。

成長すれば全員の足が同じように変わるのか

Chen(2013)の追跡では、扁平足から正常の判定へ変わる子と、逆に正常から扁平足の所見が出る子がいました。年齢別に少なくなるという調査結果には、このような個々の異なる経過が重なっています。測定されたのは足形による判定の変化で、全員が同じ時期に同じ形へ近づくという予測にはなりません。家庭では、過去の印象に固定せず、今の痛みや動きの状態を相談時に伝えます。